“かなこぶし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鉄拳50.0%
鐵拳50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
藁草履を蹴立てて飛着いて、多磨太が暗まぎれに掻掴かいつかむ、鉄拳かなこぶしに握らせて、自若として、少しも騒がず
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鉄拳かなこぶしに張たほす勇気はあれども誠に父母いかなる日に失せて何時いつを精進日とも心得なき身の、心細き事を思ふては干場ほしばの傘のかげに隠くれて大地だいぢまくら仰向あほのしてはこぼるる涙を呑込みぬる悲しさ
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ざまを見ろ廻りの廻りの小佛と朋輩の鼻垂れに仕事の上の仇を返されて、鐵拳かなこぶしに張たほす勇氣はあれど誠に父母いかなる日に失せて何時を精進日とも心得なき身の
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
鐵拳かなこぶし撲倒はりたふ勇氣ゆうきはあれどまこと父母ちゝはゝいかなるせて何時いつ精進日しやうじんびとも心得こゝろえなきの、心細こゝろぼそことおもふては干場ほしばかさのかげにかくれて大地だいぢまくら仰向あふむしてはこぼるゝなみだ呑込のみこみぬるかなしさ
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)