“おろし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オロシ
語句割合
71.2%
11.9%
大根卸3.4%
渡船1.7%
下石1.7%
1.7%
卸売1.7%
撤下物1.7%
擦子1.7%
渡舟1.7%
銼器1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とにかく山の手は御存じの如く都の中にても桃隣とうりんが「市中いちなかや木の葉も落す富士おろし」の一句あり冬の西風と秋の西日禁物きんもつに有之候。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
酒は強い方だったが、山下の軍鶏屋しゃもやで二、三のおろしさきの番頭たちと、空腹へだらしなく流し込んだので送り出された時にはもういい加減に廻っていた。
大根卸おろしで食はする鮏卵はらゝごは無造作にして気が利たり。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
山村水廓さんそんすいかくたみ、河より海より小舟かべて城下に用を便ずるが佐伯近在の習慣ならいなれば番匠川ばんじょうがわ河岸かしにはいつも渡船おろしつどいて乗るもの下りるもの、浦人は歌い山人はののしり
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
山のけずりて道路みち開かれ、源叔父が家の前には今の車道くるまみちでき、朝夕二度に汽船の笛鳴りつ、昔は網だに干さぬ荒磯あらいそはたちまち今のさまと変わりぬ。されど源叔父が渡船おろしの業は昔のままなり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「以てのほか。当今、宝蔵院の槍は伊賀の名張に下石おろしと申すのがござる、これがよく流儀のすじをわきまえておられるはず、あちらへお越しの時に立ち寄って御覧ごろうじろ」
「当今、伊賀の名張なばり下石おろしというのがある、これに宝蔵院流正統が伝わっているという話じゃ、愚僧わしは詳しいことは知らぬ、それにまた、術の妙を得た人には、この近いところ——」
おろし表門おもてもんかゝる此時大膳は熨斗のし目麻上下なりすでにして若黨潜門くゞりもんへ廻り徳川天一坊樣の先驅赤川大膳なり開門かいもんせられよと云に門番は坐睡ゐねむりし乍らなに赤川大膳ぢやと天一坊は越前守が吟味ぎんみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
異物ことものは喰はで、仏の御撤下物おろしをのみ喰ふが、いと貴き事かな」と云ふ気色けしきを見て、「どか異物ことものべざらん、それが候はねばこそ取り申し侍れ」と云へば、菓物くだもの
濫僧考補遺 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
大風たいふう擦子おろし、極寒の萬力まんりき
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
今日は浦人も城下に出でず、城下よりしまへ渡る者もなければ渡舟おろし頼みに来る者もなし。夜に入りて波ますます狂い波止場の崩れしかと怪しまるる音せり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
造る飮料——青銅の銼器おろしによりて乾酪を
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)