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おてき
マーキュ はて、
戀が
盲なら
的を
射中てることは
出來まい。
今頃はロミオめ、
枇杷の
木蔭に
蹲踞んで、あゝ、
予の
戀人が、あの
娘共が
内密で
笑ふ
此枇杷のやうならば、
何のかのと
念じて
居よう。
おゝ、ロミオ、
若し
足下の
戀人が、な、それ、
開放しの
何とやらで、そして
足下が
彼女の
細長林檎であつたなら! ロミオ、さらば。
野天の
床では
寒うて
寢られぬ、
下司床で
臥よう。さ、
往かうか?
若し
戀女の
魔の
輪近くへ
奇異な
魔物を
祈り
出して、
彼女が
調伏してしまふまで、それを
突立たせておいたならば、それこそ
惡戲でもあらうけれど、
今のは
正直正當な
呪文ぢゃ、
彼女の
名を
借りて