“うつわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
89.7%
器物3.4%
器具2.1%
器量1.4%
食器1.4%
容器0.7%
硝子器0.7%
陶器0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この型を以て未来にのぞむのは、天の展開する未来の内容を、人の頭でこしらえたうつわ盛終もりおおせようと、あらかじめ待ちもうけると一般である。
イズムの功過 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かたなだの、軸ものだの、文庫にはいっている古い書類だの、そのほか色々な器物うつわが、古道具屋の店みたいに並べてありました。
虫干し (新字新仮名) / 鷹野つぎ(著)
肩に振り分けにして掛けているのは麓の城下から持って来るところの色々の珍らしい器具うつわ食物たべもので、つまり彼は山と城下とを往来している行商人なのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
九女八は、襟白粉えりおしろい刷毛はけを、手伝いに来てくれた、鏡のなかにうつる静枝にいった。根岸の家にも一緒にいる内弟子の静枝は、他のものとちがって並々の器量うつわでないことを知っているので
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
先日中川さんのお話をうかがって銅鍋あかなべ青銅鍋からかねなべは気味が悪くなりましたから銅製の食器うつわを全廃して西洋鍋を買いました。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
岸本は病人の欲しがる氷を枕頭まくらもと容器うつわからさじで飲ましたりなぞして、時には気息いきこもった窓の硝子ガラスを開けに行った。三月の二十日頃の日あたりがその病室の外にあった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ビールのびんがやがて手に来る。わえた綱を解いて、それを勝手へ持って来て、土瓶に移して、コップ三つと、砂糖を入れた硝子器うつわとを盆にのせて、兄の話している座敷へ持って行く。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
陶器うつわものを洗う音やら、かしぎの支度する気配が、静かに、そこで聞えた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)