その人がずっと私の側へ来て「やあやあ話の様子を聞いて居ったが果たしてそうであった」と大いに悦んで私の手を握られたのが、この間フランスのマルセーユでなくなられた文学士藤井宣正師ふじいせんせいしである。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)