笠井一かさいはじめ)” の例文
笠井一かさいはじめ。戸籍名、手沼謙蔵。明治四十二年六月十九日、青森県北津軽郡金木町に生れた。亡父は貴族院議員、手沼源右衛門。母はたか。謙蔵は、その六男たり。
狂言の神 (新字新仮名) / 太宰治(著)
笠井一かさいはじめ」にはじまり、「厳粛のことを語る。と。」にいたるこの数行の文章は、日本紙に一字一字、ていねいに毛筆でもって書きしたためられ、かれの書斎の硯箱すずりばこのしたに隠されていたものである。
狂言の神 (新字新仮名) / 太宰治(著)