金森さまの御重役で稻垣小左衞門いながきこざえもんさまというお方は七百五十石お取りなさるお方だ、そのお方がちゃんと上下かみしもを着けて己の前へ手を突いてお辞儀をして、重三郎目出度いのうと仰しゃるから