その秋の展覧会サロン・ドオトンヌには、パリで客死した磯崎恭介の作品と遺骨をつれて日本へ帰って行った須美子の作品が入選している。ほかに、石井柏亭の「果樹園」が二科から特別出品されて注目をひいていた。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)