瞞着まんちやく)” の例文
その人の内容だけの物しか狙ひ又掴みだすことができず、平時に瞞着まんちやくし得た外見も、ここに至つてその真実を暴露せずにはゐられない。
咢堂小論 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
美学の本さへ読めば批評家になれると思ふのは、旅行案内さへ読めば日本中どこへ行つても迷はないと思ふやうなものだ。それでも世間は瞞着まんちやくされるかも知れぬ。
芸術その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これと同じやうに親子、夫婦の間には虚偽の生活、瞞着まんちやくし合ふ生活が少くない。