涼風のそよぐ夏の夕方なぞ白絣縮緬しろがすりちりめん兵子へこ帯をしめた若い文士の姿がいつも杉垣の中に、大勢の従姉妹達に包まれて見えた。
若芽 (新字旧仮名) / 島田清次郎(著)