劉璋も、あまりに諸臣が憂えるので、さらばと彼らの意にしたがい、即ち、蜀の名将白水之都督はくすいのととく楊懐ようかい高沛こうはいのふたりに涪水関ふすいかんの守備を命じて、自分は成都へ立ちかえった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)