帰り途、朝子は人間の生存の尖端ラ・ポアント・ド・ラ・ヴィというようなことを深く思った。道徳や常識、教養などその人を支える何の役にも立たない瞬間が人生にある。
一本の花 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
その生存の尖端ラ・ポアント・ド・ラ・ヴィをも押しつつむ程大きな焔が燃えたらどうであろう。
一本の花 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)