相逢相失両如夢あひあひあひうしなふふたつながらゆめのごとし為雨為雲今不知あめとやなるくもとやなるいまはしらず」と口ずさみながら頬杖ほおづえをついた源氏を、女であれば先だって死んだ場合に魂は必ず離れて行くまいと好色な心に中将を思って
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)