此頃主人の用物を大坂ニ送り候道にて、備後箱の岬のおきニて紀州明光丸と申船蒸気船也が、私ののママ船の横に乗掛候て、不計も私しの船ハ沈没仕候間ウミのそこにしづみたり、是より又長崎の方へ帰り申候。