一家の取締をするのは用人の柴田十太夫しばたじゅうだゆうたった一人で、彼は譜代の忠義者ではあるが、これも独身の老人で元来が無頓着むとんじゃくの方である。
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)