弁基べんき春日蔵首老かすがのくらびとおゆ)の歌に、「まつち山ゆふ越え行きていほさきの角太河原すみたかはらにひとりかも寝む」(巻三・二九八)というのがあるが、この頃の人々は
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)