あれほど大きい組織的な軍事行動をやっているくせに、その事件が愛らしい息長帯姫おきながたらしひめの物語として語り残されたほどに、この民族の想像力はなお稚拙であった。
人物埴輪の眼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)