洋画家の川口亜太郎かわぐちあたろうが、辻褄の合わぬ奇妙な一枚の絵を描き残したまま卒然として怪しげな変死を遂げてしまったのは、この静かな山荘の、東に面した二階の一室であった。
闖入者 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)