彼には立志館の先輩であり、兄には旧友の定高半兵衛さだたかはんべえという男がいた。定高はやはり老職であるが、半兵衛は実子ではなく、林久太夫はやしきゅうだゆう(留守役三百石)の三男から養子に入ったものであった。
艶書 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)