秋の半ばだが、十月といえば、丁度亜米利加の詩ごころをそそる「土人の夏インディアン・サンマア」——所謂日本の小春日で、ぽかぽかと暖い日が続き、陽気を違えて花が咲き出したりする。妙に生暖いのである。
アリゾナの女虎 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)