だから、この出し物はだめとなって、初日、二日は、仕方なく、上は洋髪の頭のままで、からだには、紙でつくったかみしもをつけ、博多今小蝶はかたいまこちょうと名乗って、水芸の太夫娘となって客の前に現れた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)