絵画は事物の共存状態コエキジスチーレンを構図とするが故に、或る動作の唯一瞬間をのみ捕捉する事を得。随って其の前後の経過を暗示せしむるに足る可き最も含蓄ある瞬間を
金色の死 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)