彼の本家である曽我伊予守正順いよのかみまさのりは、六千五百石の書院番頭であったし、金森主膳の口添えもあったらしいが、三月にはいるとまもなく、書院番にあがり、そこから進物番へ出仕することになった。
あだこ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)