これとほぼ時を同じうして、仙台の町奉行丹野元之丞たんのもとのじょうが、何か感ずるところあって、仲間ちゅうげん一人を連れて不意に、古城の牢屋を見廻りに来ました。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)