なぜならば柴田勝家と上杉とは、数年間にわたる血戦に一奪一譲いちだついちじょうを続け、両国麾下きかの士には解くに解けない骨肉の宿怨が累として横たわっている。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)