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『火の点いた煙草』
ふりがな文庫
『
火の点いた煙草
(
ひのついたたばこ
)
:
一名――煙草蒐集家の奇禍
(
いちめい――たばこしゅうしゅうかのきか
)
』
彼は恋愛を軽蔑した。彼は煙草を愛した。それ故彼は、愛の話を始められると、横を向いて彼の愛するモン・レツポを燻らせた。煙りの中から、恋愛の生れたためしは滅多にない。さうして、彼と彼女との恋愛も、たうとう一服の煙草のやうに楽しげに消えて了つた。 …
著者
横光利一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「婦人公論 第十二年第四號」1927(昭和2)年4月1日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約22分(500文字/分)
朗読目安時間
約37分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
故郷
(
くに
)