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『蛾はどこにでもゐる』
ふりがな文庫
『
蛾はどこにでもゐる
(
がはどこにでもいる
)
』
たうとう彼の妻は死んだ。彼は全くぼんやりとして、妻の顏にかかつてゐる白い布を眺めてゐた。昨夜妻の血を吸つた蚊がまだ生きて壁にとまつてゐた。 彼は部屋に鍵をかけたまま長らくそこから出なかつた。彼は蚊が腹に妻の血を蓄へて飛んでゐるのを見ると、妻 …
著者
横光利一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「文藝春秋 第四年第十號」1926(大正15)年10月1日
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約13分(500文字/分)
朗読目安時間
約22分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
代物
(
しろもの
)