高館たかだち―七月の旅の思ひ出――しちがつのたびのおもひで―
高館に登りて見れば 小糠雨烟りて寒く 朽ちかけし家のほとりの 高き木に鳴く蝉かなし 苔かほる古き木に倚り その昔の人をしのべど 木々に吹く風も寂しく 消えて行く思ひ儚し 遠山の淡くけむりて 北上は北の果より その昔の夢を語らず うね/\とう …
題名が同じ作品
高館:―平泉の思ひ出より― (新字旧仮名)森川義信 (著)