地球儀ちきゅうぎ
祖父の十七年の法要があるから帰れ——といふ母からの手紙で、私は二タ月振り位ひで小田原の家へ帰つた。 「此頃はどうなの?」私は父のことを訊ねた。 「だん/\悪くなるばかり……」母は押入を片附けながら云つた。続けて、そんな気分を振り棄てるやうに …
題名が同じ作品
地球儀 (新字新仮名)牧野信一 (著)