嘆きの谷で拾つた懐疑の花びらなげきのたにでひろったかいぎのはなびら
日記といふものを、逆に時日を遡つて誌さうとしたら、映画のヒルムを逆に回転するやうな混乱に陥るだらうか——今朝、こんなことを考へながら、墓地に隣る生垣の傍らで書きかけの原稿を焼いてゐた。霧が深かつた。ちよつとは思ひ出せない程幾晩も徹夜を続けた …