鼎軒先生ていけんせんせい
鼎軒先生には一度もお目に掛かつたことがない、私は少壯の頃、暇があれば本ばかり讀んでゐたので名家の演説などをもわざ/\聽きに往つたことが殆ど無い、そこで餘所ながら先生のお顏を見る機會をも得ないでしまつた、 先生がアアリア人種に日本人も屬すると …