質屋の通帳しちやのつうちょう
京都に住んでゐた頃、たしか花時の事だつたと思ひます。私が縁端でぼんやり日向ぼつこをしてゐると、女中が来客の名刺を取次いで来ました。名刺にはK——とありました。K氏は私には初めての客でしたが、友人H氏の弟子筋にあたる人で、その頃新進作家として …
作品に特徴的な語句
流行はやり