夕凪ゆうなぎ
老婆は台所の隅の火鉢に依掛って肉を焼いた。彼女の額も首も汗に滲み、まるで自分が焼かれてゐるやうな気がした。四つになる児が火のついたやうに傍で泣いた。口を四角に開けて、両手で足をさすりながら「駅に行かう、駅へつれて行け。」と強請んだ。 台所の …
作品に特徴的な語句
うづくま