『須磨明石』
須磨の浦を一の谷へ歩いて行く。乾き切つた街道を埃がぬかる程深い、松の木は枝も葉も埃で煤が溜つたやうに見える、敦盛の墓の木蔭にはおしろいが草村をなしてびつしりと咲いて居る、柔かな葉はやつぱり埃が掛つて居るが、赤や黄の相交つた花には目立つて見え …
著者 | 長塚節 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行 |
初出 | 「馬醉木 第三卷第六號」1906(明治39)年10月12日 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約4分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約6分(300文字/分) |
作品に特徴的な語句
垂水