花を持てる女はなをもてるおんな
私がまだ子供の時である。 私はよく手文庫の中から私の家族の寫眞を取り出しては、これはお父さんの、これはお母さんの、これは押上の伯父さんのなどと、皆の前で一つづつ得意さうに説明をする。そのうち私はいつも一人の見知らぬ若い女の人の寫眞を手にして …
題名が同じ作品
花を持てる女 (新字新仮名)堀辰雄 (著)