歴史と現実れきしとげんじつ
以前新井白石の「西洋紀聞」によつてシドチの潜入に就て小説を書いたとき、屋久島はどんな島かしらと考へた。切支丹の事蹟を辿つて天草までは行つたが、屋久島は行かなかつた。幸ひこの小説は島の風物を叙述する必要がなかつたので史料の記事だけで間に合つた …