古街ふるまち
黄昏時を四五分すぎたあと、 薄闇を縫ふて、紅い々々燈の華が、 冬咲きの仏相花のやうにちらつく。 昔の栄華を夢見る古るい街、 傾むいた軒を並べて、 底深く静まりかへる。 蔦の生へた石垣からは、 亡びの色調を帯びた虫の歌。また、 たく/″\と流 …
作品に特徴的な語句