おぼろ
早春を脱け切らない寒さが、思ひの外にまだ肩や肘を掠める。しかし、宵の小座敷で燈に向つてゐると、夜のけはひは既に朧である。うるめる物音、物影。 「日本的なるもの」の一つに「朧」がある。よし、それが淨土教の影響によるにもせよ、老莊道學の示唆を得 …
作品に特徴的な語句
徨彷さまよ くま