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をら
役人兩三人上意と
聲掛縛められしかば何故斯る
憂目に
逢事やら合點行ず
素より惡事の
覺えなきゆゑ我が身に於て
辯解は
立つべけれども
我居ざれば母の
看病を
誰しも
恁麽場合に感ずる一種の不満を、智恵子も感ぜずに
居れなかつた。が、すぐにそれを打消した。
寄んと云方もなく然ばとて岡山
近所にも住居も成難く兎角此邊に
居んよりは遠路ながら江戸へ
赴かば諸侯も多き處と
聞及べば
能主取りも成べしとお花にも此由を
調べに參りし
也其方存じ
居ば教へ申
可と
和かに諭ければ菊は十兩の金を