“鼠木綿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねずみもめん87.5%
ねずもめん12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二度目に眼がめた時、彼は驚ろいて飛び起きた。縁側えんがわへ出ると、宜道ぎどう鼠木綿ねずみもめんの着物にたすきを掛けて、甲斐甲斐かいがいしくそこいらを拭いていた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
九郎右衛門は花色木綿の単物ひとえものに茶小倉の帯を締め、紺麻絣こんあさがすりの野羽織を着て、両刀を手挟たばさんだ。持物は鳶色とびいろごろふくの懐中物、鼠木綿ねずみもめんの鼻紙袋、十手早縄はやなわである。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
見ると、鼠木綿ねずもめんの宗服を着たのが、虚無憎とみえますが、蠅をうけた以上、無論、掛絡けらく天蓋てんがいぎとられているので顔はさらしている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところへ、鼠木綿ねずもめんの宗服に尺八を持った二人づれの虚無僧こむそうが、今そこの前を通りぬけたかと思うと急に引っ返して来て、天蓋てんがいかぶったまま、馬春堂の机の前に立ち
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)