“黒奴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くろんぼ50.0%
こくど28.1%
ニグロ15.6%
ムール3.1%
ネグロ3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒奴くろんぼにサアやナイトの爵位、立法議会の選挙権などを与へてある程度まで威張らせて置く英人の度量が大きいと言はねば成らない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それが、旧根樹ニティルダ・アンティクスという絶滅種ではないのか。根を二十身長も地下に張るというこのアフリカ種は、とうに黒奴こくど時代の初期に滅びつつあったはずである。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
われ鐘のような濁った声が彼女に黒奴ニグロのようなジャマン・チーズの腐った臭のする厚い唇を思い出させた。
女百貨店 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
それより悔改コンチリサンをなし、贖罪符しょくざいふをうけて僧院を去れるも、帰途船中黒奴ムールはゴアにて死し、嬰児えいじはすぐせと名付けて降矢木の家をおこしぬ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
稲佐いなさと丸山の女は日本語とロシヤ語と英語とで一夜いちやの恋を語つてゐる。海岸通の酒場では黒奴ネグロが弾くピアノにつれてポルトガルの女が踊つてゐる。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)