黄葉もみぢ)” の例文
「竹敷の浦廻うらみ黄葉もみぢわれ行きて帰り来るまで散りこすなゆめ」(同・三七〇二)という歌を作って居り、対馬娘子つしまのおとめ玉槻たまつきという者が
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
渓をはさんだ山には黄葉もみぢも深く、諸所に植ゑ込んだ大きな杉の林もあつた。細長い筏を流す人たちにも出会つた。
渓をおもふ (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
冬は春になり、夏山と繁つた春日山も、既に黄葉もみぢして、其がもう散りはじめた。蟋蟀は昼も鳴くやうになつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
あふ坂の関守せきもりにゆるされてより、秋こし山の黄葉もみぢ見過しがたく、浜千鳥の跡ふみつくる鳴海なるみがた、不尽ふじ高嶺たかねけぶり浮嶋がはら、清見が関、いそ小いその浦々
秋山に黄葉もみぢあはれとうらぶれて入りにし妹は待てど來まさぬ
黒髪山 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
この下りいまだ日のある山路とて残んの黄葉もみぢ目にとまりつつ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
なぜだらう 橡の黄葉もみぢの鮮やかさ はや新雪の眩ゆい立山たてやま
閒花集 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
黄葉もみぢの影に啼く鹿の谷間たにまの水にあへぐごと
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
黄葉もみぢする大木の銀杏。
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「秋萩の下葉の黄葉もみぢ花につぐ時過ぎ行かばのち恋ひむかも」(巻十・二二〇九)、次に評釈する、「このくれの時移りなば」(巻十四・三三五五)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
秋山あきやま黄葉もみぢあはれとうらぶれて入りにしいもは待てど来まさず
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
上つ毛はあか黄葉もみぢこしへ来てほとほと過ぎぬのこれる見れば
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
渓ぞひに独り歩きて黄葉もみぢ見つうす暗き家にまたも帰るか
渓をおもふ (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
その一ところに畑をもつた 夕暮の黄葉もみぢの山
山果集 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
黄葉もみぢのかげを踏みわけて
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「君が家の黄葉もみぢの早くりにしは時雨の雨に沾れにけらしも」(巻十・二二一七)という歌があるが平板でこの歌のように直接的なずばりとしたところがない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
日おもてに黄葉もみぢはららく声するは日陰ひかげの雑木風か吹き越す
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
秋山あきやま黄葉もみぢしげまどはせるいもを求めむ山路やまぢ知らずも
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
黄葉もみぢして 日に日に山が明るくなる
南窗集 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
鹿のこゑまぢかに聴けば杉の一木ひとき黄葉もみぢ下明るなり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)