鹿毛しかげ)” の例文
鹿毛しかげは少ししりごみしたがこのときしゃもじがその首環くびわを引いて赤犬の鼻に鼻をつきあてた、こうなると鹿毛もだまっていない、疾風しっぷうのごとく赤犬にたちかかった
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
鹿毛しかげはその広い胸をぐっとひきしめて耳を後方へぴたりとさか立てた。かれは尋常ならぬ敵と見てまず前足をつっぱり、あと足を低くしてあごを前方につき出した。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
二年生の手塚という医者の子が鹿毛しかげのポインターをしっかりとおさえていた、するとそれと向きあって三年の細井という学生は大きな赤毛のブルドッグの首環くびわをつかんでいた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)