馬岱ばたい)” の例文
馬岱ばたいは云ったが、張苞はただ口惜し涙をこすっている。しかもまた、明日の戦に、何らこの頽勢たいせいをくつがえすべき策も自信もなかった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の前をさまたげた馬玩ばがんは立ちどころに殺されたし、彼に従ってきた龐徳ほうとく馬岱ばたいなども、韓遂の部下を手当り次第に誅殺ちゅうさつしていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬岱ばたいとその部下三千名が任に当って参りました」とのことに、孔明は直ぐに彼を呼びよせて、遠来の労をいたわり、かつ云った。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その中で馬岱ばたいは忠義諸人に超え、国の兵馬を託すに足る者ゆえ、いよいよ重く扱うたがいい。諸政の部門はけいがこれを統轄総攬とうかつそうらんされよ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、その日のうちに、第二次襲撃を企てて、今度は身みずから先手に進み、馬岱ばたい龐徳ほうとくをうしろに備えて、ふたたび魏の野陣を夜襲した。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前から関興、廖化りょうか呉班ごはん呉懿ごい、裏からは馬岱ばたい、王平、馬忠、張翼などが、早鼓はやづつみを打って、火とともに攻め立てて来たのである。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その中には、父を慕って本国から着いた馬騰の子二人も殺害されたが、甥の馬岱ばたいだけは、どうのがれたか、関外へ逃走していた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬超、馬岱ばたいの従兄弟も、鎮北将軍魏延ぎえんとともに、漢中の守備にのこされた。ただし漢中の地は、前線へ兵糧を送るためにも、重要な部署ではあった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さらに、車をおりて、徒歩、北方の一山へ登って、けわしきを探り按じ、黙々陣地へ帰ってくると、すぐ馬岱ばたいを招いて
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
龐徳ほうとく馬岱ばたいはすぐ発向した。馬超ももちろん猶予していない。殺気地を捲いて歴城へかけてきた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこへ腹心の馬岱ばたいが、一箇の首級をもたらして来た。すなわち漢中軍の軍監楊柏ようはくの首だった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでにそこは西涼の馬岱ばたいがひかえている陣地だった。馬岱の姿を見かけると、魏延は
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)