“饒津”の読み方と例文
読み方割合
にぎつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
饒津にぎつ公園を過ぎて、東練兵場の焼野が見え、小高いところに東照宮の石の階段が、何かぞっとする悪夢の断片のようにひらめいて見えた。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
馬車は次兄の一家族と私と妹を乗せて、東照宮下から饒津にぎつへ出た。馬車が白島から泉邸入口の方へ来掛った時のことである。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
それにしても、あの日、饒津にぎつ河原かわらや、泉邸の川岸で死狂っていた人間達は、——この静かなながめにひきかえて、あの焼跡は一体いまどうなっているのだろう。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)