のま)” の例文
旧字:
其証拠とも云うきは寝床の用意既に整い、寝巻及び肌着ともに寝台のわきいだしあり枕頭まくらもとなる小卓ていぶるの上には寝際ねぎわのまん為なるべく
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
慾張抜よくばりぬいて大急おほいそぎであるいたからのどかはいて為様しやうがあるまい早速さつそくちやのまうとおもふたが、まだいてらぬといふ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
是はうも実になア、新吉お賤さんはくれえ力落だか知れやアしねえ、ナア、ヘエ有難ういお茶だねえ、此様こんな良い茶を村の奴にのましたって分らねえ、ヘエ有難う
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
のまくわずですじかいに障子へ凭れかゝって居るので、婢はしきりに話懸けて自分から笑って見せたが、一向返しの詞がないのにぐね、誰か呼びにお遣り遊ばすのと云うを
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
可厭いやよ、私は、そんなに酔つてゐちや。不断きらひの癖に何故なぜそんなに飲んだの。誰にのまされたの。端山はやまさんだの、荒尾さんだの、白瀬さんだのが附いてゐながら、ひどいわね、こんなによはして。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
酒家しゅか沢山たんとの肴は要らない、香の物の好いのが有ればそれで沢山だ、しかひどい酒をのませやアがったなあゝいてえ、変な酒だな、おいお梅一寸ちょっと来て呉んな、ウ、ウ、腹が痛えから一寸来て呉れ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「何より利くそうなが、主あのましったか。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)