青貝摺あおがいずり)” の例文
この光、ただに身に添うばかりでなく、土に砕け、宙に飛んで、みどりちようの舞うばかり、目に遮るものは、うすも、おけも、皆これ青貝摺あおがいずりうつわひとしい。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うろこか、金の、と総毛立つ——とくしでした。いつ取落したか、青貝摺あおがいずりので、しかも直ぐ襟許えりもとに落ちていました。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
俯向うつむいた襟足が、すっきりと、髪の濃いのに、青貝摺あおがいずりの櫛がきらめく、びんなでつけたらしいが、まだ、はらはらする、帯はお太鼓にきちんとまった、小取廻こどりまわしの姿のさ。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
左舷右舷も青貝摺あおがいずり
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)