“青蝿”の読み方と例文
読み方割合
あおばえ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人の別れたあとには、例のながむし死骸しがいにたかった青蝿あおばえが、相変わらず日の光の中に、かすかな羽音を伝えながら、立つかと思うと、止まっている。……
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
老婆は、鼻の先で笑いながら、つえを上げて、道ばたのながむし死骸しがいを突っついた。いつのまにかたかっていた青蝿あおばえが、むらむらと立ったかと思うと、また元のように止まってしまう。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
はげしい天日てんぴに、照りつけられたせいか、変色した皮膚のところどころが、べっとりと紫がかった肉を出して、その上にはまた青蝿あおばえが、何匹となく止まっている。そればかりではない。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)