むき)” の例文
やがて元のに達すれば、くだんのプラトが又寝台の下より出来り歯をむき出して余を目掛け飛掛らんとす、余は其剣幕に驚きて一足背後うしろ退下ひきさがらんとする程なりしが
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
誰の命令も文字通りに拝承した事のない代りには、誰の意見にもむきに抵抗したためしがなかった。解釈のしようでは、策士の態度とも取れ、優柔の生れ付とも思われる遣口やりくちであった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だれの命令も文字通りに拝承した事のない代りには、だれの意見にもむきに抵抗した試がなかつた。解釈のしやうでは、策士の態度とも取れ、優柔の生れつきとも思はれる遣口やりくちであつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)