除糞人じょふんにん)” の例文
こう言う大慈悲心を動かした如来はたちまち平生の神通力じんつうりきにより、この年をとった除糞人じょふんにんをも弟子でしかずに加えようと決心した。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
半月はんつきばかりたったのち祇園精舎ぎおんしょうじゃに参った給孤独長者きゅうこどくちょうじゃは竹や芭蕉ばしょうの中のみちを尼提が一人歩いて来るのに出会った。彼の姿は仏弟子ぶつでしになっても、余り除糞人じょふんにんだった時と変っていない。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ただ波羅門ばらもん刹帝利せっていりだけは便器の中に用を足し、特に足を労することをしない。しかしこの便器の中の糞尿ふんにょうもどうにか始末しまつをつけなければならぬ。その始末をつけるのが除糞人じょふんにんと呼ばれる人々である。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)